昨日は何したかな?

AKB論 その2

演じる側のこと

秋元康は「AKB48」を「逢いに行けるアイドル」と表現した。
多勢で歌い踊っているが、個々はアイドルである必要があるのである。
即ち、多勢の中で、目立つ事も必要であるし、自分らしさを打ち立てアピールしなければならない。
アピールには色々な方法があるだろうが、各自、工夫する事になり、個を磨く事が求められた。
この裏には涙、汗、努力があり、場合によっては個に対する、中傷、嘘など負の一面もあるかもしれない。個々はグループの同士であり、ライバルでもあった。

また、AKB48はグループ制をとっており、時々はグループ間でメンバーの入れ替えがある。歌は他のチームでも歌う。
このことは、一つのコンテンツ(歌)が違ったメンバーやグループで演じられ、集団を生かした面白さがでることとなった。

これまでは、ある一定以上の要員のアイドルグループは存在してきた。
だが、その要員の中でも、優秀なメンバー、可愛いメンバーだけが生き残るのがいままでの常だった。
また、どうしても、優秀な曲等に恵まれない限り、可愛さだけでは飽きられ、忘れ去られてしまうしかなかった。

AKB48は素人から出発し、徐々に歌・踊りを上達させていった。その変化を楽しむというファンもいたのかもしれないが、それは、極一部のマニアには受け入れられるかもしれないが、一般大衆はそこまでは待ってはくれない。面白くなければ、見向いてくれないのである。

AKB48は、まず、劇場での公演活動を通して、自分達の芸を磨き、固定ファンを作った。
次に、飽きられないように、グループであることのスケールメリットを生かして、個々のグループ間の競争や、個々を磨き個性をアピールする事を身に付けさせた。

AKB48は普段のステージではチーム制をとって公演を行っているが、マスコミやプロモーションビデオには選抜されたメンバーのみが出演できる。
この選抜メンバーのなかでもセンターといわれるメンバーが、最初と最後は中心にいられる。
このセンターや、選抜メンバーは秋元氏が決めていたが、自ずと固定されたメンバーとなり、最初は1期生といわれるメンバーが中心であった。
これに、新風を吹き込んだのが、ファンの人気投票いわゆる「総選挙」である。
この仕組みは、これまで当然のように中心となっていたメンバーに「活」が入れられることとなった。

総選挙で、メンバーの人気順位を決め、1位となった者が1年間はセンターを勤めることとなる。また、上位12名は優先的にプロモーションビデオへの出演や、マスコミへの出演、コンサートへの中心メンバーとしての出演が許される。
中心メンバーに選抜されるのとされないのとでは大きな違いがあり、ゴルフでいえば、シード権を持っているかいないか、野球では1軍、部活ではレギュラーと同じだ。
メンバーはこれまで、個々を磨き、集団の踊りに努力はしてきたが、大勢のファンに魅力あるアイドルとしてアピールする事を求められることになった。
このシステムは想像以上にメンバーの努力と、場合によってはストレスを強いる事となる。

メンバー選抜に投票出来るのは、AKB48のCDを購入し、CDに付いている投票権を買ったものだけだ。
これは、CDの売り上げに貢献することも当然期待してのことであったが、ファン同士の競争も生まれ、自分の指示するメンバーの為に、大量のCDを購入する者まで現れてきた。
また、どうしてもセンターに付かせたくないAKB48のメンバーを1位にしたくない為に、CDを大量に購入し、恐らくその対抗馬であろうメンバーに投票をするという事態まで発生した。
これが、知る人ぞ知る、あの有名な「わたしのことは嫌いでも、AKB48のことは嫌いにならないでください」という今は卒業してしまった、前田敦子の台詞であった。

仕掛けは次々に繰り出される。
AKB48ではこれに「運」というシステムが導入された。
どんなに努力しても、報われない事があるが、どんなに努力しても報われないメンバーにもチャンスが与えられるという仕組みだ。
一見、ふざけているのではないかという、ジャンケン勝ち抜き大会。
だが、これに勝ち抜くと、勝ち抜いた者をセンターとした歌が与えられ、プロモーションビデオが作られる。
少女たちにとっては、願っても無い数少ないチャンスであり、運良く得たチャンスをものにするため努力し、大概は報われて行く。

このシステムは少女達に「運」にも勝ち抜く事を求められたのである。
まさにドラマであった。

ファンが直接介入出来る仕組みや「運」に勝ち抜く仕組みは、いろいろな意味で、話題性を生み、また、長年の間に個々としての個性や芸を磨く事を強要され、歌や踊りに秀でる事になった彼女達の集団AKB48はいまや、日本一のアイドルグループとなったのだ。



このAKB48を生んだシステムは日本中のみならず、世界にも広がりつつある
日本では、名古屋の栄町からSKE48、大坂難波からNMB48、博多からHKT48
外国では 台北でTPI48、上海でSNH48、ジャカルタで JKT48などがある

まだまだ、発展しそうだ



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by moripapa_55 | 2013-03-22 00:53 | 日常